「なんで一花がこんなところに……?」

一花一人でこんなところまで行けるわけがない。

あたしは一人の考えが頭に浮かんだ。



『誘拐』



あたしはサーッと血の気が引いた。




あたしは店長に許可を得てから車に乗った。

そして、智美さんに電話した。


――プルルルル。


「もしもしもし多美~?」

『もし』が一個多いよ智美さん、って今はそんなこと言ってる場合じゃない。

「一花が……誘拐されたかも!」

「ええっ!?そんなドラマみたいな話あんの?ドラマでなんか山奥まで連れてかれて……」


……ダメだ、完全に酔ってる。