新校舎と旧校舎をつなぐ渡り廊下を抜け、ついにここまで来てしまった。


「けほっ・・・埃っぽいですね・・・」

「それに所々蜘蛛の巣まであるじゃねーか・・・。掃除してんのかよ?」



いや、していない。

俺が三年生の時に離任していった公務員さんが言っていた。

「旧校舎は掃除をしちゃいけないんだよ」と。

結構仲が良かった方だったので理由を問いただしたが、「分からない」の一点張りだった。

そしてこう言った。



「旧校舎に足を踏み入れると一生戻ってこれないんだって」





・・・このことをサクラに言ったとしても、スルーされるに違いない。

というか、あり得ないんだけど。

あまり気にすることなく、屋根裏部屋に近づいていく・・・。