御飯茶碗によそう量が、ベリルの分だけ多めに見える。

「おかまいなく」

「若者は食べなきゃだめよ」

 その言葉にアユタが「プッ」と吹いて、ナユタが足を蹴り飛ばした。

 ナユタが電話で事前に彼の泊まりを訊ねていたせいか、夕飯の中身がすさまじく豪華な気がした。

 普段、こんな組み合わせは絶対に無いと思われるような料理の数々だ──ハンバーグにエビフライ、ポテトサラダとビーフコロッケ。

 テーブルの真ん中ではエビチリが背中を丸めて自己主張していた。