「夕飯まだでしょう? こっちよ」

「ありがとうございます」

 一般的な日本家屋に、一般的なダイニングキッチン。

 そして一般的な日本のダイニングテーブル。

 ナユタよりも嬉しそうな母が彼を上座の席に座らせた。

「……」

 ベリルは当然、日本の文化をよく知っている。

 ここに腰掛けていいのだろうか? という表情で目の前の料理を見つめていた。

 それを見る二人は苦笑いを浮かべる。

 確かに、その席はいつもは父が座っているのだ。母の浮かれっぷりがよく解る。