そう考えると、今も良い感じに楽しめている気がしないでもなかった。

 皆、私の持っている試作品(プロトタイプ)に狙いを定めている。

 相手は麻薬組織でも、日本以外の組織でもない。

 これは……大いに楽しめるチャンスか?

「!」

 そう考えたとき、相手が電話に出た。

「──何?」

 ベリルの顔が少し険しくなる。

「?」

 何か問題でも起きたのだろうか? 2人はその様子をしばらく眺めていた。