「じゃあ俺たちにも何かあってもいいよね?」

「……」

 ベリルは眉間のしわを深くし、ナユタは弟の意地悪い表情に目を丸くした。

「何か希望でもあるのか」

「ホンモノ触らせて」

「だめだ」

 即答に少年はぷくっと頬を膨らませる。

「なに考えてるのよ、ばかアユタ!」

 ナユタは慌てて少年の首根っこを掴んだ。

「だったら海外旅行につれてってよ」

 突然の路線変更にナユタもベリルもキョトンとしたが、しばらく考えたベリルは少年を見つめて目を据わらせた。