青年の名はベリル・レジデント。

 その世界ではかなり名の知れた傭兵だ。

 電話の相手は、傭兵たちに様々なアイテムを卸している会社の広報課に所属している男性で、どうやらちょっとしたミスをしたらしい。

<こっちからもあんたの顔見知り送って探すからさ>

「どの店なのかも解らんのか」

<いくつかあって、バラバラに配送されたみたいなんだ>

「まったく」

 ベリルは呆れて肩を落とし、通話を切って携帯をバックポケットに仕舞う。

「日本か……」

 3度目の溜息と共に発した。