駅の改札で、ベリルは飾られている近辺の地図を見つめ、一分ほどしてまた歩き出した。

 降りた駅はナユタたちもあまり馴染みのない駅のため、彼が目指すものが何かさっぱり解らない。

 町並みは自分たちの住んでいる住宅街とさして変わらない雰囲気だ。

「どこに行くんだろう」

 アユタがぼそりとつぶやき、ナユタははぐれないようにと弟の手を掴んで彼の背中を追いかける。

 10分ほどして、ベリルが公園に顔を向け足をそちらに進めた。

 ベンチの前で立ち止まり、バックポケットから震えている携帯を取り出して通話を始める。