「まだ怒ってんの? 大人げないなぁ」

 薄笑いで言い放つ少年の方に目だけを向けて睨みを利かせるが、間にナユタがいるため睨まれる形になるのはナユタだ。

 電話で素直に説明したあたしにも責任あるし……と彼女は少し縮こまる。

 彼が怒っているのは自分のコトでじゃない、それはナユタにもなんとなく解っていた。

 ベリルは、あたしたちを危険にさらすコトになるから、ホントは一緒につれて行きたくないんだよね。

 状況から見て一緒にいた方が安全だけど、守れなかった時のコトを考えるとやっぱり納得がいかないんだと思う。

「……ごめんさない」

 ナユタは口の中で発した。