「!?」

 振り返った男性に一瞬、息を呑んだ──そして、ユタの後ろをふらりと追った。

「……」

 ベリルはナユタを見下ろし、真奈美を一瞥した。

「誰?」

「え? ええと……」

 訊かれて戸惑う。

 友達ではないし、彼氏なんて言ったら怒られそうだし──

「道を尋ねた」

 ベリルがぼそりと発すると、真奈美は

「ああ……」と納得したようだ。

 しかし、ナユタは彼女の表情に少し苦い顔をした。

 ベリルから視線が外れない。

 なんだか大切なものを視姦されてるみたいで、ナユタは少し苛ついた。