一方ナユタ──ベリルが伝票を手にして立ち上がるのに続く。

 玄関そばのレジに立ち、カードケースから見たことも無いカードをマスターに差し出した。

 エメラルドグリーンのカードには、濃い緑のドラゴンがホログラフで描かれていた。

 一瞬、そのカードにマスターは目を見開いたが何事もなかったようにカードを返す。

「ありがとうございました」

 マスターの声を背にドア開き、辺りを見回して駅の方に足を向けた彼の後を追う。

「あそこカード払いもいけるんだね」

「そうだ」

 その言葉に記憶をたぐりよせると、入り口にそういえば書かれていた……と思い出した。