「モデルガン取りに行った時にベリルと会ってるならその近くじゃん」

 つぶやいて階段を駆け上がった。

 ランドセルをベッドに投げ置き、素早く服を着替える。

 そうしてセカンドポーチをたすき掛けし、勢いよく階段を駆け下りた。

「母さんオレも出かける~」

「遅くなっちゃだめよ」

 小豆色のカーゴパンツに半袖Tシャツ、その上からクリーム色のベストを合わせた恰好でスーニーカを履き玄関を出た。

「絶対に見つけてやる」

 アユタは鼻を鳴らして駅に向かった。