暖かい色の間接照明とクラシックが耳障り無い音量で店内を満たし、シックな色合いの木目のカウンターやテーブルセットがナユタの心を落ち着かせた。

 それでも、向かいに腰掛けているベリルを見ると心臓が再び高鳴ってしまう。

 椅子に背中を預け、長い足を組んで窓から見える外を見つめている姿は、まるで映画のワンシーンのようで見とれてしまう。

 でも、これは映画じゃなくて現実にあたしは、彼に守られながら武器の回収と悪者から逃げているのだ。