「いらっしゃいませ」

 50代のマスターらしき男性が落ち着いた声で応え、ベリルは軽く手を挙げて窓際の席に足を向けた。

 ナユタは、その後ろから男性にペコリと会釈し彼のあとに続く。

 マスターは男女が腰掛けたのを確認すると、2人分の水をテーブルに置き注文を待った。

「カフェモカ」

「あ、あたしアイスミルクティー」

「かしこまりました」

 丁寧な物言いでカウンターに戻る。