「そうじゃなくて……なんか可愛いんだもん」

「可愛い?」

 ベリルはますます眉間にしわを寄せる。

「まあ良い」

 発して水玉模様を差し出し、ナユタはそれを受け取ってショルダーバッグに仕舞った。

「たすき掛けにしておけ」

「え? あ、わかった」

 頷いてベルトを伸ばし、たすき掛けにした。

 そして、おもむろに歩き出すベリルの背中を追った。