「フリーの者は多くはない」

 ほとんどの場合、傭兵を管理する会社に所属している。その方が面倒がなくていいからだ。

「何故、私が軍人だと思ったのだ」

「ずっと前に見た本に載ってたの」

「雑誌名は」

「覚えてない」

「そうか」

「あ、映ってたって言っても端っこにだよ」

 どこかの軍人さんと談笑してる写真だった。

「いつのものだ」

「えと、数十年くらい前のだった」

 そうか……ベリルはつぶやいて、憂いを帯びた目を伏せた。