「お前が狙われたのはこの件ではない」

「……え?」

「私と何らかの関係があると知られたためだ」

「?」

 ナユタは小首をかしげた。

「回収とは別の問題が発生した」

「じゃあ……やっぱりあたし、巻き込まれちゃったんですね」

「すまない」

 いや、どっちかっていうと感謝したい気分なんですけど……ナユタは小さく笑って再びベンチに腰掛けた。