「ぐはっ!?」

 肘鉄をかました影は、男が腹を押さえてうずくまるのを視界に捉えてすかさずもう1人の男に回し蹴りを食らわせ、その流れのまま膝で腹を蹴り上げる。

「……」

 うそ……ナユタは目の前の光景に、声も出せず小さく溜息を吐いたベリルを見つめた。

 険しい目を向けられてビクリとしたが、あごで歩けと促され隣に並んでついていく。

「あ、あの……?」

 無言のベリルにそれ以上は口を開けず、しばらく追いかけるように背中を眺めた。

 ベリルは小さな公園に足を向け、そこにあるベンチに座れと目で示される。