「……USPか」

 男はそれを手にして、まじまじと見やる。

 USPとは、H&K(ヘッケラー・ウント・コッホ)社が開発したプラスチック製のハンドガンだ。

 男は手入れの行き届いた黒い物体に感心するようにつぶやき、流暢(りゅうちょう)な日本語を話す外国人を見つめた。

 彼の見せたハンドガンはもちろん、モデルガンだ。

 ベリルの様子を見つめていると、別の店員がナユタにモデルガンを手渡した。