「何故ここにいる」

「どうしてこんなとこに?」

 ベリルは応えずに、カウンターの男に近づき、問いかける。

「昨日に入荷したハンドガンを見せてもらいたい」

「お客さん……どういった人柄で?」

 慣れた物言いの青年に、男はピクリと反応した。

「私に届くはずだったものが間違ってこちらに流れてしまったようでね」

 警戒した男に無表情に発すると、男は若干、眉を寄せる。

「! どんなもので?」

 少し身を乗り出した男に、ベリルは腰の背後からハンドガンを取り出してカウンターに乗せた。