「あ……あのっ、助けてくれてありがと」

「偶然だ」

 待ち望んでいた人物の声に、ナユタは瞳をほ潤ませる。

 メールだけのやりとりで、全てを助けてくれた人……こうして、ちゃんと顔を合わせるのは初めてだ。

 そんなベリルの瞳にも複雑な色が宿っていた。

 一般の人間を自分の世界に巻き込むことは、限りなくゼロにしなければならない。

 傭兵というだけでなく、不死である事は数々の騒動を生む。

 今までもそうして、幾度となく狙われてきた。

 それでも共にいたいと願う女性は多い──