「ひぃっ!?」

 カチッ! という音に引き気味の小さな叫びを上げた神崎を見下ろし、反対の手に持っていた弾倉(マガジン)を装着した。

「今度はどうかな」

 唇の端に笑みを湛えて銃口を向ける。

「た、たすけて……」

「誰かを傷つけるための力ならば捨てろ」

 言い放ち拳銃(ハンドガン)を仕舞う。

 引けた腰を必死に持ち上げて逃げ去る神崎の後ろ姿を見やり、2人は無言で視線を合わせた。