一回、深呼吸してドアを開く。

 ダブルベッドが目に入り、心臓がドキンと高鳴った。

 暗い部屋に踏み入り、ナイトテーブルの照明をオンにする。

 琥珀色の間接照明がベッドを照らし、とても神秘的に見えた。

 そして、まだ入り口付近にいるベリルに視線を送る。

 彼は三度(みたび)溜息を吐き出し、意気揚々とベッドに寝転がったナユタを見下ろした。

 降りてくるエメラルドの双眸(そうぼう)は美しく透明で、全てを見透かしているように輝いていた。

 言わなくても、その目は最終確認を問いかけているのだと解る。

「気持ちは揺るがない」と示すように、彼の首に腕を巻き付けてキスをした。

 そして意識はスパークする──