ベルパーソンが先に2人を中に促し、操作盤の前に立った。

「お久しぶりです」

 最上階までの時間を潰すように、ベルパーソンが声を掛けた。

「大事ないか」

 どうやら見知った間柄らしい、笑顔で発した彼にベリルも同じく笑みを返す。

「あなたのおかげで元気です」

 顔は前を向いたままだが、その声色からベリルを慕っているのだと解る。

 まだ20代だと見受けられるベルパーソンは、それだけ言うと口を閉じ部屋まで案内した。

 鍵を開けてルームキーとカードを渡す。

「それでは、ごゆっくり」

 ニコリとナユタに微笑み、去っていった。

「あの人は……?」

 部屋に入るベリルのあとを追いながら訊ねる。