「ベリル様のお連れの方にサービスです」

「え……」

 ベリルに目を向けると、柔らかな笑顔でカップを掲げた。

「ありがとう」

 ウエイターにそう言ってティラミスを味わう。

「行きたい処があれば言うと良い」

「! 連れてってくれるの?」

 問いかけに彼は無言で頷いた。

 行きたいところって、どこだろう。

 どこがいいかな……ナユタは嬉しくて色んな場所を考える。