ナユタは初めて見る彼の表情に、なんだか不安になった。

 とても複雑な瞳で、どことなく視線は泳いでいる。

「1日だけってだめ?」

「本人よりも積極的だ」

「!」

 アユタってば……ナユタは顔が赤くなった。

 弟は縮こまっている姉を見て、ベリルをキリリと見上げる。

「ずっと携帯を替えないで、ずーっと待ってたんだ。そんなの見てたら、オレが何か言うしかないだろ」

 少し苦い顔でプイとそっぽを向いた。