ホンモノ……ホンモノのベリルだ。

 ナユタは目の前の青年に呆然とした。

「は、離せよ!」

 ベリルは素直に手を離す。

「ばーか」

 神崎がニヤけた顔で殴りかかったが、ナユタが声を上げる前に男の体が宙に浮き、重力に逆らえず地面に叩きつけられた。

「げはっ!?」

「受け身は取れたかね」

 しこたま背中を打ち付けた神崎は唸り声を上げて悶絶し、ベリルはその様子に呆れて男を見下ろす。