「なんでこんなことするの?」

「へ?」

 章はナユタが何を怒っているのか解らないらしく、太めの眉をひそめた。

「っよせ……」

 制止するベリルの声は、痺れのために震えている。

「ベリルは苦しんでるのに!」

「お嬢ちゃん、そいつは死なないんだ。人間じゃないんだよ」

「死なないから人間じゃないなんて誰が決めたの!?」

 ナユタは訴えるように必死に声を絞り出した。