「なんだぁ? 外人か。ここは日本だぜ」

「女性には優しくするものだ」

 感情の起伏がまるで無い物言いに、神崎はさらに顔を歪めた。

「ぶっ飛ばされたいか!?」

 すごんで掴みかかろうとした手をすっと掴まれ、素早く背中に回された。

「いててててっ」

「乱暴はいかん」

「ベリル!?」

 再確認して声を上げたナユタに神崎は、

「知り合いなのか」と自分よりも背の低い外国人を睨み付けた。