「……」

 キレイなだけじゃなくて、きめ細やかな気遣いにナユタは彼と離れるのをさらに惜しんだ。

 接すれば接するほどに惹かれていく──こっちは、こんなに心を痛めているというのに……と身勝手な怒りも湧いてくるというものだ。

「ベリル」

「!」

 そうこうしているうちに、彼を呼ぶ青年が現れた。

「これで最後ね。ホントごめん」

 Tシャツにチノパンという茶髪の青年が明るく応える。

「回収出来たのだ良しとしよう」

「そう言ってくれると有り難いよ。それ狙ってる奴らはこっちで何とかしとくから。んじゃ」

 登場と同じように青年は明るく去っていった。