ほどなくして、彼の様子に2人は小首をかしげる。

 辺りを見回したあと確認して再び歩き出すという事を何度か繰り返していた。

 目的地は近くなのだろうか?

「あ、こっちに公園あったね」

「! そういえば……あった」

 ちょっと奥まった所にある、人気(ひとけ)の無い公園が確かにあった。

 土地勘があるとは思えない彼が、そこを目指していると思うと驚くほかはない。

 住宅街は同じような家が建ち並んでいて、さしものご近所ダンジョンと化している事が多い。

 彼にとっては、日本という特殊な環境において、さらに難関であるはずだ。

 そんな彼らの視界に、こぢんまりとした公園が目に映る。

 公園内に足を踏み入れ、ベリルはナユタたちをベンチに促した。