大切にしたい思い出として肌の触れあいを求められても、それが良いものかどうか彼には解らない。

 その温もりに安心する感覚は理解出来たとしても恋愛と結びつけるには、いささか無理があるとも感じていた。

 永遠を生きる彼にとって、その記憶も永遠だ。

 死すべき運命(さだめ)の人の子よ──そう詠った詩人がいた。

 回る輪廻はいかほどか……?

 ──それは誰にも解らない。