「あの、あの人たちは……」

「事が解決するまで母親の警護を任せてある」

 ナユタはそれを聞いて、ホッと胸をなで下ろした。

 さすがに明るくなってきたため人通りも多くなり、目立たないように警護するのだとか。

 彼の持つ試作品を狙っている輩が、母親にまで手を伸ばすとは考えにくいけれど、念のために警護を雇ってくれたのだそうだ。

 優しいな……と、ナユタは彼の背中を見つめた。

「今日はどこに行くの?」

 呑気にアユタが問いかける。そんな2人を視界全体で捉え、今日が永遠に終わらない事を願った。

「ぜんぶ回収したらいなくなっちゃうんだ」

 ナユタは口の中でつぶやいた。