朝食を済ませたあと、しばらくアユタのゲームに付き合わされ、1時間後ようやく出かける事になった。

「行ってきま~す」

「ご迷惑おかけしないようにね」

「行ってきます」

「お世話になりました」

 丁寧に会釈するベリルに惚れ直したように、母の顔がほころぶ。

 アユタから借りたカジュアルバッグをたすき掛けにしている姿もさまになっていた。別れの挨拶を済ませ、外に出る。

 警護してくれている男性2人を見つけて、ナユタはベリルを見上げた。