「おはよう!」

 アユタが嬉しそうに階段を駆け下りて、キッチンに声を掛けた。

 しかし、母とベリルが一緒に料理している姿に眉をひそめる。

「おはよう」

「あら、おはよう。こんなに早起きなんて珍しいわねぇ」

 応えた母親は、怪訝な表情を浮かべている息子に説明するように付け加える。

「ベリルさんが手伝ってくれるっていうから、お言葉に甘えちゃった」

「ちゃったって……」

 可愛く言ってもおばさんなのに……という言葉は飲み込んで洗面所に向かう。