「!」

「ごめ……なさい」

「何故、泣く」

 思ってもみない彼女の反応に、ベリルは当惑気味に発した。

「だって……あたし、あなたに迷惑ばかりかけて……アユタみたいに賢くもないし。今だって……」

 今までの感情が堰(せき)を切ったように溢れ出して涙が止まらない。

 迷惑かけたくないのに、こうして今も迷惑かけて……ぐるぐる回ってどうしていいか解らない。

 そんな彼女を見つめてベリルは小さく溜息を吐き、顔を近づけ頬と額にキスをした。