「ああっ!? ごめんなさい」

 と謝るが、その手を離そうとしない。

 否、離せない。

「う、なんか固まって……」

 緊張のせいで手の力が緩められないらしい。

「ゆっくりで良い、焦るな」

「は、はい……」

 うう、あたしのバカ!

 ナユタは、なんだか自分が情けなくなってきて涙がこぼれた。