「借りるぞ」

「あ、うん」

 ベリルは椅子に腰を落とし、バッグに入っていた物を取り出していじり始める。

 黒く長細い物体をしばらくいじると、それは今度は縦に分裂した。

 分裂したと言うのは間違いかもしれない、正しくは片方だけが開いてパカパカする感じだ。

 開かない方には、なんだか所々にタコの吸盤みたいなのがついていた。

 さらに3ヶ所ほどからベルトが出てきて、彼はそれを腕に巻き付け確認するように眺めている。

 そして腰の後ろから銃を取り出し、デスクの上に乗せ右腕に巻いている装置から筒状のものを取り外した。