「あれはガードだ」

「ガード?」

 事情を聞き、ベリルは彼女の部屋からその影を確認する。

「私がよく使う警備会社の者でね。日本にも支部があった」

 1人では守りきれないと感じたベリルは、警備会社に電話を入れてガードを雇っていたのだ。

「日本は動きづらい」

 そう言って小さく溜息を漏らす。

「あ、これ」

 ナユタは思い出して紙バッグを差し出した。

 ベリルはそれを受け取り、デスクを一瞥してナユタに目を移した。