その後、風呂から上がってきたナユタが揃うと、母はフルーツを切り始めた。

 それを見たベリルが立ち上がり、すいと手を出す。

「あら、いいのよ。お客様はゆっくりしてて」

「2人でやれば早い」

 未だ湿気を帯びた髪が、母の頬さえも赤らめさせる。

「じゃ、じゃあお言葉に甘えようかしら」

 そう言って、もう1本の包丁を手渡した。

 フルーツはリンゴとキウイがあり、ベリルは躊躇することなくキウイを手にする。