戦士の休息

 彼女の中には誰も入り込めないほどに、とある人物が大きく心を占めている。

 こんな男に書き換えられるほど甘くはない。

「ムカツク」

 男はナユタの視線に苛立ち、その腕を強く掴んで公園の奥に引きずっていった。

「ちょっ!? なにするのよ」

「うるせぇよ」

「だっ……誰か……」

 ナユタは怖くなって声を振り絞った。

「声出すとまた殴るぜ」

 その言葉に喉が詰まり、何をされるのか解らない不安に足が震える。