13年前のあの日…...

やはり俺は大阪に居た。


凄まじい揺れに目を覚ました俺が始めに見た物は、動く車のブラモデル。

ベッドにしがみつきながら、何故か目が離せないでいたプラモデルの車が、棚から独りでに落ちて行った記憶がある。

何秒間続いたのかは今となっては定かではないが、自分の持つ最大の常識から推測出来うる地震の終わり…...

その終りは訪れず、常識を越えながら益々激しさを増して行く揺れに、

『恐怖』した。

プラモデルの車だけではなく、ガサガサと崩れる様々な物。

終わらない揺れ。

まるで水中から水面に上がろうと上昇するが、水面が何処にあるのかもわからない。
果して上昇しているのかどうかも分からない。
更には足を引っ張られて再び沈められるような感覚だった。

そんな明け方の恐怖は、僅かな余震を残しながらも常識の世界へと戻った。