長田での仕事を終えた俺は、あの地の住人ではなくなった。 しかし今も尚、縁あって行き来する神戸の街。 阪神高速の上。 沢山の何かが終わり、沢山の何かを無くし、まだ何も終わっていない人と街。 それらを俺は見続けなければならない。 長田の百貨店。 俺が手掛けた店舗の隣。 同じく飲食店で働く親父さんは、地震で身内と店舗を無くした。