「1つ提案があるんだけどいいかな?」

「提案?」



耳障りなほどうるさく鳴いているせみ

それでも先生は涼しそうな顔をしてあたしの前で人差し指を出した





「夏海ちゃんの病気は、精神的なものだってのはわかってるね?」


「はい。」


「ここは東京。
夏海ちゃんの体にここはうるさすぎるんだ。


体が常に緊張状態になって、そのせいで疲れがたまったりして体に異常が出てしまうんだ。」





言われてることはわからなくも無い。

いくら親の都合だからといっても時々忙しすぎる場所だとかんじていた。




「そしてあともう少しで夏休みが来る。」


「はぁ……。」



一体先生は何を言いたいんだろう?


「こういう都会から離れた自然が豊かなところに夏休みの間、過ごしてみないかな?

そうすれば心も体もリラックスできると思うんだ。」








都会から離れた……自然が豊かなところ……










そのとき、無性にわくわくしている自分がいた。