「~~っっ!!
ったく爽太何やってんの!?
もうフェリーがつく時間なのにっ。」
「おぉ。さっきから電話してもでねぇんだよ。」
明らかにイライラとする2人の様子を、あたしはただただ黙ってみていた。
「爽太は夏海ちゃんに会わせる顔がないとか、そんなかっこつけた考え方がないから、余計ワケわかんない!!
なんでこないのっっ!?」
「もう、大丈夫だよ。2人ともありがとうね。
爽太くんには後で連絡しとくよ。」
「夏海……」
ここまで拒否されたらさすがにこれ以上は迷惑だし。
こればかりは諦めなくちゃ。
その時、はるか遠くからフェリーがみえた。


