夏コイ★1ヶ月の特別な時間




まるで自分の好みを押し付けたようなプレゼントだった。


ホントは夏海に合いそうなプレゼントはたくさんあった。



だけど、ネックレスを見つけた瞬間、これしか目に入らなくなっていた。




それに、他にもちゃんとした理由があったから。






「そのネックレス、意味があってさ。」


「え?」



目尻に涙を浮かべる夏海は俺に聞き返す




「その羽、『勇気への手助け』って意味があるんだ。

夏海がいつか東京に戻ったとき、病気がちゃんと治るといいなぁって。


大変なことだっていっぱいあると思う。

友達のこととか、勉強のこととか……
だから、それを乗り越えるための勇気の手助けができるようにって。
だからこれを選んだんだ。


遠くにいってもこのネックレスに俺の気持ち、ちゃんと詰め込んだからさ。

それみて元気出して欲しいし、乗り越えるきっかけになれたらいいかなって」




こんなことをべらべら話すのは恥ずかしい気もしたけど、夏海は笑わずに聞いてくれた。


「ありがとう…爽太くん……っ。」