まるで自分の好みを押し付けたようなプレゼントだった。
ホントは夏海に合いそうなプレゼントはたくさんあった。
だけど、ネックレスを見つけた瞬間、これしか目に入らなくなっていた。
それに、他にもちゃんとした理由があったから。
「そのネックレス、意味があってさ。」
「え?」
目尻に涙を浮かべる夏海は俺に聞き返す
「その羽、『勇気への手助け』って意味があるんだ。
夏海がいつか東京に戻ったとき、病気がちゃんと治るといいなぁって。
大変なことだっていっぱいあると思う。
友達のこととか、勉強のこととか……
だから、それを乗り越えるための勇気の手助けができるようにって。
だからこれを選んだんだ。
遠くにいってもこのネックレスに俺の気持ち、ちゃんと詰め込んだからさ。
それみて元気出して欲しいし、乗り越えるきっかけになれたらいいかなって」
こんなことをべらべら話すのは恥ずかしい気もしたけど、夏海は笑わずに聞いてくれた。
「ありがとう…爽太くん……っ。」


