夏コイ★1ヶ月の特別な時間




「あーっ、クレープ売ってるよ夏海ちゃんっ。行こ行こっ」


「美希ちゃん、走ったら浴衣ぐちゃぐちゃになっちゃうよっ」



あたしの手を引いて駆け出そうとした美希ちゃんは、あ、そっか。というと早歩きに切り替えた





「おじちゃーん。美希いちごクレープ!」


「あいよ、夏海ちゃんはどうするの?」


「えっ、じゃ、じゃぁチョコクレープで……」





ボーっとしてたわけじゃなかった


まさか名前覚えてもらえるとは思わなかった








「はい、どーぞ」



手渡されたまだあたたかいクレープ

その温かさに伝染するようにあたしの心も温かくなる