「あーっ、クレープ売ってるよ夏海ちゃんっ。行こ行こっ」
「美希ちゃん、走ったら浴衣ぐちゃぐちゃになっちゃうよっ」
あたしの手を引いて駆け出そうとした美希ちゃんは、あ、そっか。というと早歩きに切り替えた
「おじちゃーん。美希いちごクレープ!」
「あいよ、夏海ちゃんはどうするの?」
「えっ、じゃ、じゃぁチョコクレープで……」
ボーっとしてたわけじゃなかった
まさか名前覚えてもらえるとは思わなかった
「はい、どーぞ」
手渡されたまだあたたかいクレープ
その温かさに伝染するようにあたしの心も温かくなる
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