ドキドキと鼓動が聞こえる。

この音……爽太くんに聞こえてないよね?














だけど、その鼓動はだんだん苦しくなっていった。



発作だ!!


あわててバックの中を探って薬の入ったケースをだす。




薬……ないっ



ケースの中には発作を止める薬が入っていなかった。


ここ最近、発作がなかったから油断した。




「ハァ……ッ、ハァ……」


さすがにあたしの異変に気づいたのか、爽太くんはあたしの名前を呼ぶ。


「夏海?おいっ、大丈夫か!?
夏海!!夏海!!」











どうしよ……景色かすんできた……。




だんだんと遠のく意識の中で、爽太くんの姿がかすかに見えて、あたしの記憶は途絶えた