あたしの部屋は別に特徴などなく、必要なものがあるだけのシンプルな場所。



ベッドがあって、机があって・・・


大したものはない。



あたしが見てもそう思うのだから、葉津海さんに案内させるほどの部屋ではない。


けれど

「ここがあたしの部屋です。何か御用があったらこの部屋へ来て下さい。」


そう言ったあたしに向かって、葉津海さんが首を傾げる。


「お父様のお伝えで、別に一緒の部屋で暮らしても構わないとおっしゃっておりますが?」


どうなさいます? とあたしを見つめる。


・・・お父さん!!!

あんたはあたしを自由にはしてくれないのか!!!



まぁ・・・執事と言っても、あたしの邪魔はしないと思うから


「葉津海さんがそれで良ければ、あたしは構いませんよ。」


と言った。



すると葉津海さんが笑った。


・・・爽やかなスマイルではなく、何か意地悪そうな笑み・・



「簡単に男を部屋に入れるとか無防備すぎんだろ、お前」


・・・・・はい?


なんか・・・声したんですけど。



そぉっと葉津海さんの後ろを覗いてみる。


が、誰もいない。


じゃあ、さっきの声は


「わりぃけど、敬語は、お前の両親の前だけにさせてもらうわ。」



ネクタイを緩めて、ジャケット脱ぎはじめる葉津海さん。



ど、どう反応したらいいですかね???