あたしは毎日思う。



……あたしが湊香弥ではなかったら、どんな毎日を送っていたのだろう?と―…


普通に友達を作って、恋もして…笑って泣いて楽しい生活をしていたのかもしれない。



今も楽しいし、友達もいる。

けれど…


後継者だからと言って、一目置かれている存在。


そんな状態で友達と遊べるはずもなく、いつも一人の毎日。



あたしは、普通の生活がしたい。


後継者ではなく、一人の人間として生きていきたい。


お嬢様ではなく、一人の女の子として暮らしていきたい。



でも…現実をみれば、あたしの願いなんて所詮、夢の空想でまた憂鬱な1日を過ごすだけ。




毎日ずっとこのままなんだって思ってた。


……だけど

あんな事で…あたしのつまらない人生が一変するとは――……